会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2024/11/14
人手不足への対処方法

厚生労働省が公表した労働経済動向調査の中で、労働者不足の対処方法が取り上げられている。人手不足が深刻化しているため、この内容を案内することとした。

 今日は、労働者不足の対処方法についてお伝えしたいと思います。

 労働者不足の対処方法ですか。当社も、求人募集を行っていますが、応募すらない状況で、困っているところです。

 2024年9月に厚生労働省から公表された労働経済動向調査(令和6年8月)の概況の中で、労働者不足の対処方法に関する事項が盛り込まれています。過去1年間(2023年8月から2024年7月まで)に行った労働者不足への対処方法について、割合の高いものから順にみてみると、上位5つは以下のようになっています。

1位 正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加 59%
2位 在職者の労働条件の改善55%
3位 臨時、パートタイムの増加 40%
4位 派遣労働者の活用 38%
5位 求人条件の緩和 36%

 労働者不足への対応ですので、「正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加」が、一番割合が高いのですね。正社員への登用については、優秀なパートタイマーがいれば正社員に登用する動きが強くなっているということでしょうか。

 そうですね。優秀なパートタイマーについては、戦力の確保のために早めに正社員登用していく動きが見られますね。次に、今後1年間(2024年8月から2025年7月まで)の対処方法をみてみると、割合の高かった上位5つは以下のようになっています。

1位 正社員等採用・正社員以外から正社員への登用の増加 60%
2位 在職者の労働条件の改善48%
3位 臨時、パートタイムの増加 41%
4位 離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用 36%
5位 派遣労働者の活用 35%

 4位の離転職の防止策の強化、又は再雇用制度、定年延長、継続雇用とは、どのようなものでしょうか?

 資料をみてみると、離転職の防止策の例として、労務管理(労働条件以外の福利厚生、労使関係など)の改善や教育訓練の実施などがあると記載されています。「再雇用制度」には定年退職だけではなく、子育てのために一旦退職した女性などを再雇用する仕組み、いわゆるアルムナイも含むと記載されています。

 なるほど。一旦退職した人を再雇用していくような取組みがあるのですね。

 当社も再雇用制度を考えてみようか。

 また、この調査結果を産業別にみてみると、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業では、「臨時、パートタイムの増加」、サービス業(他に分類されないもの)では、「在職者の労働条件の改善」の割合が、過去1年間の対処方法と今後1年間の対処方法ともに、一番高くなっています。

 定着には労働条件の改善も必要不可欠なのでしょうね。

 新たな雇用に向けて取り組んでいくのか、既存従業員の退職が目立ち、まずは在職者の定着に向けた労働条件の改善をしていくのか、会社が抱える問題・状況によって対処方法が異なってくると考えます。

 なるほど。状況の分析が必要ですね。

 今後、検討される動きがありましたら、いつでもお声がけください。

>>次回に続く



 上記の内容の正社員への登用に関連し、活用できるキャリアアップ助成金を確認します。キャリアアップ助成金の中に正社員化コースがあり、例えば、中小企業で有期雇用労働者を正社員に登用した場合、計80万円が支給されます。この助成金には細かな要件があるため、活用を検討される場合は、事前に内容を確認しておきましょう。

■参考リンク
厚生労働省「労働経済動向調査(令和6年8月)の概況
厚生労働省「キャリアアップ助成金

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。



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